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長野地方裁判所 昭和23年(行)16号 判決

主文

原告の請求はこれを棄却する。

訴訟費用は原告の負担とする。

事実

原告訴訟代理人は、被告が昭和二十三年三月廿六日原告の為したる訴願を棄却する旨の裁決は之を取消す、訴訟費用は被告の負担とするとの判決を求むる旨の申立、その請求の原因として原告は、昭和十四年三月五日長野県北安曇郡松川村訴外榛葉太生より其の所有に係る別紙目録記載の農地を買受け、同時にその引渡を受け昭和二十年十二月八日右売買に因る所有権の移転登録を為したから該農地は自作農創設特別措置法による買収計画より除外せらるべきものであるのに、訴外池田町農地委員会は昭和二十二年十二月廿三日に至り右農地に就き買収計画を樹立し、翌廿四日より同二十三年一月十日迄の間縦覧に供したから原告は、同月八日本件農地は右買収計画より除外せられたい旨異議の申立をしたところ同委員会は同月十七日之を棄却したので更に同年二月九日被告に対し訴願を為したるに、被告は同年三月廿六日本件農地は買収計画より除外せらるべき理由がないとして棄却の裁決をした。しかし原告は、昭和十四年三月五日本件農地の所有権を取得し尓来その引渡を受け支配して来たのだから被告の裁決は失当である。だからその取消を求める為本訴に及んだと主張し、被告の抗弁事実を否認した。(立証省略)

被告指定代表者は、主文第一項と同趣旨の判決を求め、答弁として原告の主張事実中原告が被告に対し訴願を為し且つ棄却せられたる事実並に昭和二十年十二月八日所有権の移転登記を為したる事実を認め本件農地の売買並に引渡の事実を否認し、訴外池田町農地委員会は昭和二十年十一月廿三日現在の登記面に因つて農地買収計画を樹立したもので当時本件農地は訴外榛葉太生の所有となつて居たので自作農創設特別措置法第三条第一項第一号の所謂不在地主の小作地として買収計画に編入されたものであるから其の処分は適法であると抗弁し、立証として乙第一号証を提出し証人荻窪恒市の喚問を求めた。

(立証省略)

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